幕が上がる

「演劇はひとりじゃできない」と話されるこの映画には、主人公が理解できない人間がひとりも登場しない。それどころか、演劇部の部長であり演出家である主人公は、仲間のことをよくわかっているとされている。演劇はひとりじゃできない。わかりあえないことから、多様性が生まれる。わからないものを認めることで、僕たちは豊かになる。よくわかっていると思っていた人のことを、なんにも知らなかったことに気がついた瞬間から、映画がはじまるんじゃないのか。幕なんか、まだ全然あがってないと思うんです。

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