2014/11/29

コーヒーを飲む。コーヒーを飲むのをやめて、本を読む。しばらく本を読んだあと、またコーヒーを飲むと、マグカップの内側、コーヒーの水位があったところに黒い線ができる。本を読んでいた時間がコーヒーによって記録されている。二子玉川の高島屋のいちばん上にあるスターバックスはすごく広くて、座るところがたくさんあって楽しい。カフェで本を読むなんて自意識が過剰な自分には難しいタスクだけど、ここにいるときの自分はほかの社会にいるときより匿名性が高い気がして、リハビリとしてよく利用しています。それから、上野へ行きました。このあいだ観たチューリヒ美術館展でいちばん好きだなと思った絵はホドラーという人が描いていて、ホドラーについて調べたらちょうど国立西洋美術館で回顧展をしているのを知ったので観にいってみました。国立西洋美術館には初めて行った。美大生だったときも行ったことがなかった。いままで絵を描いたことがないから、絵をどうやって見たらいいのかよくわからなかった。ホドラーはまず風景を描いて、そのあと貧しい人たちの肖像画などの人物を描いて、晩年は病気で動けなくなって窓から見える風景を描いたみたいだった。人物をメインに描いた絵はやっぱりどう見たらいいのかよくわからなかったけど、風景画、とくに水面を描写する色の重なりは、声が出そうなくらいきれいでした。ホドラーの絵は、飾られている額が白い木の枠のようなシンプルなものが多くて、いかつい荘厳な額に入ったそのほかの絵とは違って、謙虚な感じがして好きだなと思った。ホドラーさんは100年前に死んだ人だけど、わりと自分が好きみたいで自画像も何点かあった。愛人もかなり美人なようだったし、それなりにちゃんと幸せそうに思えた。

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