2014/11/16

詩が落ちている。京浜東北線とかに詩が落ちている。そんなふうに詩を見つけることは、同じ場所におれが詩を書いていることだとはいえないか。おれが見つけなければ誰もそこに詩があるなんて気がつかないのだとしたら、最初から京浜東北線とかに詩は落ちていなかったのではないか。だから、おれは京浜東北線とかで詩を書いていたのかもしれないと思った。隙間を一瞬だけあけて、差し込んだ光を印画紙に定着させる。光があたったところだけを化学的に変化させて、洗い流して像を浮かび上がらせる。暗室のなかでの写真を現像する作業は、まるで自分がカメラのなかに入ったかのようだった。詩を書くことは、誰かが隙間を一瞬だけあけて、なんだかわからないなにかを言葉に定着させたものが、京浜東北線とかに落ちていて、それをひとつずつ拾い上げて、これは詩なんですと名前をつけることではないか。

33