天王寺エレジー
去年も軽く出張で大阪にきたのだけど、そのとき後輩から勧められていた飛田新地を見学してきた。
天王寺で大きめのショッピングモールを横切り、しばらく歩くと高級住宅街が続いていた。
もう道を間違えてしまったんじゃないだろうか?と思うくらい歩いたその先、階段の下に飛田新地があった。
さっきまでのまともな街の面影は消え、変な男がウロつき始め雰囲気がかわる。
「見て回るだけで楽しいですよ」と言われていたので、なぜかガヤガヤした新宿歌舞伎町をイメージしてたが、実際行ってみると暗闇にポツポツとピンクの光が点々と続き、遠めで見ても怪しすぎる雰囲気。
思い出すとピンクの光だけど実際はただの光だったかもしれない。
階段を降りてさっそく歩く。
一個一個のお店には、木製の看板に店名が書かれていて、そのちょっと下、ドアのない玄関がある。
店の中を歩きながら覗くと、真ん中でお姉さんが座りライトアップされて微笑んでいる。
ドアがあるべき場所の端でおばちゃんが「おいでー」と客引きしてくる。
大体のお店がこのスタイルでそれが何軒も続いている。おばちゃんは店からは一歩も出ない。
こんなオープンになってるのか!と衝撃を受けながらも、一帯をしばらく練り歩く。
通りによっては、右も左もお店があり、店と店の間も距離がほとんどない。なるほど、たしかにこの非日常、楽しいかも。
お店に入ると、女の子と食事をして、恋に落ちてそういうことになってしまう、という設定になっているので、宿ではなく料亭ということになっているらしい。そして、男は料理代としてお金を払う。
実際は料理は出ず、飴ちゃん程度のものが出されるらしい。凄い世界だ。
一帯を練り歩いて、さすがにもう怖いし帰ろうと思い、近くのアーケードに入った。一安心と思いきや、そのアーケード内がまた濃い。
くたびれた親父が、これまたくたびれたチャリに乗ってえんやーこーら。中に並ぶ店はこのご時世にカラオケ喫茶ばかり。
『あしたのジョー』『俺節』に出てくるドヤ街にワープしたのかと錯覚するこの濃度の高い昭和スメルを堪能し、道路へ出る。
後で友達に聞いたところ、飛田新地は大阪の一番治安の悪い地域の近くでもあったらしい。
メインはもちろん結婚式だけど、たまには一人で遠出するのもいいなと思った。