2014/10/13
モーターボートで10分ほど湖を渡ると、火山のある村の岸に着く。ボートから平均台みたいな板を渡って島に降りる。道に沿って待ち構えた村人たちが、暑いから麦わら帽子を買えだとか、サングラスやミネラルウォーターを持って勧めてくる。無視して歩くと、ポニーぐらいの大きさの馬が並んで僕らを待っていた。乗れ乗れ、と急かされて馬に乗らされると、軍手をはめられる。親切なのかと思ったら、これがあとで100ペソだとわかるんだけど… そのあともマスクを渡されそうになったり、頼んでないのに写真を撮られたりする。
火山の火口が見える頂上まで続く道は、馬糞でいっぱいだ。その馬糞を馬が踏み散らして山を登っていく。ひとつの馬にひとりずつ村人がついて、村人が馬を叩きながら前へ進んでいくんだけど、険しすぎる道に馬が息を漏らしている様子は、乗っていて言うのもなんだけど、かわいそうだ。村人は、おそらく英語ではない、パ行の音だらけの現地の言葉で喋りつづけている。僕に話しているのか、前後の馬を操縦している村人と会話をしているのかわからない。と思ったら、顔を見て What's your name? と聞かれた。鹿と答えると、村人は OK SHIKA, フレーンド!と言った。
頂上に着くと、またジュースやココナッツにストローを刺したものを買えだの言い寄られる。乗馬の途中で頼んでないのに撮影された写真が、もうプリンターで印刷されて額に入ったものまである。全部無視して火口を見下ろすと、巨大な火口には水が溜まっていて湖みたいになっていた。そんな絶景に向かってゴルフをしないかと、ゴルフクラブを持った村人に言われる。日本ではありえない、めちゃくちゃ不謹慎だと思うけど、外国人たちが次々とフルスイングで打ち込んでいる。きっとあの火口の水が引いたとき、たくさんのゴルフボールが出てくるんだろう。
下山も同じように馬に乗った。いくら英語で話しかけても聞き取れない僕に、担当の村人はもう話すことを諦めたようで、鼻歌を歌っている。ふもとまで降りると、村が見えてきた。家には直線の要素がない。ひとつひとつ形が違う、それぞれの家の前で、なにをするわけでもなく人がただ座っている。暑いから涼んでいるのか、働いているのか、よくわからない。あきらかに貧しいけど、痩せ細ったりしていない。Tシャツをめくってお腹を出している人もいる。若者も、老人も、子供も、大人もいる。椅子に座ってただ一点を見つめている人もいる。
馬を降りてチップを50ペソ払うと、よく聞き取れなかったけど、これは馬の分だみたいな、お前の友達はもっと払ったみたいなことを言われたような気がして、さらに200ペソ払う。軍手代を要求されて、100ペソ払う。合計350ペソ、840円ぐらい。帰りのモーターボートに乗ろうとすると、50ペソ払えと言われる。人間不信になりながら乗り込むと、行きは晴天で穏やかだったけど、帰りはすこし波が立っていて水が顔にかかる。雨も降りそうだ。あの村には2000ファミリーいることや、火山の噴火する危険がレベル3だということを教えてもらう。