2014/05/08

田園と都市。相反する意味の田園と都市をつなぐ交通機関だと言いたいのか、それとも田園をあえて都市と呼びます逆にみたいな価値観の話なのか。とにかく田園都市線に乗って渋谷に向かっている。車内はいつもぎゅうぎゅうで、なぜならこの電車の沿線には人がたくさん住んでいるからだ。みんな田園で目を覚まし、都市に移動して働いて、また田園に帰って眠るんだろう。田園で家族が待っているのかもしれないし、大切な誰かが待っているのかもしれないし、誰も待っていないかもしれないけど、この不思議な名前の電車に、この時間に、こうやって一緒に乗っている。

田園と都市。田園都市線の車内はいつもぎゅうぎゅうで、目の前のおじさんが手帳みたいなケースに入れたスマートフォンで、LINE を開いて文字を打ち込んでいる。

のりちゃん、ありがとう!でもあのアレンジは自分にとっては普通なの。
ハリウッドやブロードウェイの寄せ集め(笑)

のりちゃん、ハリウッド、ブロードウェイ。頭がくらくらする。誰にも発表されない詩が、のりちゃんは読むかもしれないけど、誰も知らない詩が、知らないおじさんの指先によって打ち込まれていく。そして誰も知らないまま、LINE の山のようなストレージのひとつのデータとして静かに保存されていく。誰も知らなかったはずのこの文章を、偶然に知ってしまった僕が、田園と都市をつなぐこの電車で、これを詩だと発見している。

手紙を書きたい。いますぐ手紙を書きたい。いますぐ誰かに詩を書きたい。電話でもいい。電話で詩を話したい。そして詩だと思われなくても、あるストレージのひとつのデータとして静かに保存されるだけだとしても、聞き流されてもいいから書きたい。聞き流してもらったほうがいいかもしれない。

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