群青
谷中を一通り堪能した後、上野まで足を伸ばし、東京都美術館に行ってきた。特に何かを観たいわけじゃなかったけど、なんとなく。
チケット売り場の前で財布を出したところ、横から帽子を被った60歳くらいの女性がすっと近寄ってきて、「チケット、あるわよ」と囁いた。
こんなところにもダフ屋がいるのかと思ったら、チケットをただで譲ってくれた。1400円浮いて嬉しかった。
展示内容は明治くらいからの近代日本画。福王寺一彦と速水御舟の青々とした絵がいいと思った。福王寺一彦の月の絵を、昔東京駅で見たことがある。月を描いてるのだけど、肝心の月は、手前の草叢の影に遮られてよく見えない。だけどそのことで、月の存在感やかすかな狂気が、より正しく現れているように思った。美しいものは、直視すべきではない。
展示鑑賞後、速水御舟が特集された別冊太陽をミュージアムショップで立ち読みした。時期によってかなり画風が変化していて、そのほとんどは特に好きだと思わなかったけど、本人曰く「群青中毒にかかっていた」時代の絵は、なんだか良かった。
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