高橋源一郎「さよなら、ニッポン」
これから、ぼくは、あることについて書こうとしているのだが、いつもと同じように、なにか成算があって、やろうとしているのではない。
成算がある、どころか、そもそも、なにについて書こうとしているのか、それすら、はっきりとはわからない。
そこの、その部分に、なにか重要なものが隠されているのではないか、とずっと思ってきた。ただ、それだけだ。
ただ、それだけで、また、一から始めてみる。そして、うまくいけば、最後には、どこかにたどり着けるかもしれない。
7
これから、ぼくは、あることについて書こうとしているのだが、いつもと同じように、なにか成算があって、やろうとしているのではない。
成算がある、どころか、そもそも、なにについて書こうとしているのか、それすら、はっきりとはわからない。
そこの、その部分に、なにか重要なものが隠されているのではないか、とずっと思ってきた。ただ、それだけだ。
ただ、それだけで、また、一から始めてみる。そして、うまくいけば、最後には、どこかにたどり着けるかもしれない。